2017年2月25日

ひと月2時間の「プレミアム」

昨日から、「プレ金」とやらが始まった。いったい何がプレミアムなのか分からないが、月に一度のプレミアムフライデーというのは、月の最終月曜日の終業時間を3時にして、その後の退社時間を「消費」に当てて欲しいという国の方針らしい。

半ドンではない。午後も仕事をするのだ。5時の終業時間が2時間早まって3時になっただけと思えるのだが、何でこんなに新聞やテレビは騒ぎ立てるのだろう。

今日の新聞一面には、「勤務を早めに終えて、クルーズ船のデッキでビールを手に夕陽を楽しむ会社員たち」のキャプションがついたカラー写真が掲載されている。確かに昨日は、いつもより早めに仲間たちと居酒屋で一杯、というのが各地で見られたようである。

ひいき目で見れば、少しは消費の促進に役立っている。ただ、「みずほ総合研究所の試算では、プレミアムフライデーによる消費押し上げ効果は2000億〜3000億円と推計され、普及が進めばさらに拡大する可能性もある」とあるが、いつも通り、まったく中身が分からない。そもそも、それは何年間の話なのか。未来永劫に渡ってなら、確かにそういうことも言えるだろうが。

早々とオフィスを出る社員の映像もテレビで映し出されていた。だが、それらはどれも大企業ばかり。中小企業はどうなんだろう? 企業数で中小企業が日本の全事業所数に占める割合は99.7%。大企業は、わずか0.3%しかない。

従業員数では中小企業で働いている人が全体の70%、大企業が30%。中小企業で働く人ががマジョリティなのである。彼らはプレ金をどう見ているのか気になる。日本の企業で働くそうした多くの人たちには、遠い話に映っているのではないだろうか。

そもそも個人の働き方について、「官」があーせい、こーせいと言うこと自体が私は好きではない。せめて、「プレ金」が新たな分断の種にならなければいいと願っている。

2017年2月19日

風船で宇宙が撮れる

今朝の「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5)のゲストは、『宇宙を撮りたい、風船で』の著者、岩谷圭介さん。


彼が北大の学生だったときから始めた風船による宇宙撮影は、今年で7年目。色んな技術や能力が問われる仕事で、科学者、発明家、エンジニア、アーティスト、そのすべてを兼ねたような感じだ。

宇宙が好きで何か始めた人たち(以前番組に来てもらった「プラネタリウム・クリエーターの大平貴之さんや「宙(そら)先案内人」の高橋真理子さんら)は、既存のジャンルにはまらず、自分で独自の仕事のジャンルを作っていく人が多いように思う。

彼もまた、何になりたいというのではなく、自分がやりたいことを追求しているうちにそれが仕事になったタイプだ。


いまは福島に居を構え、風船を打ち上げるときは沖縄の宮古島へ移動するらしい。打ち上げるときは直径1.5〜2メートルの風船が、上空30キロ以上に上がると気圧の関係で直径15メートルくらいになり、最後に破裂する。撮影用のカメラはパラシュートで落ちてくる。それを回収するというわけだ。

何が映っているか、うまく映っているかは回収後に確認しなければ分からない。偶然にかける。それを彼はいまは仕事にしていて、会社を経営している。

彼の仕事を一言でいえば、プロの風船宇宙撮影家。たぶん日本でたった一人である。これからも素敵な写真を撮って僕たちに見せて欲しい。

今日の一曲は、The 5th Dimension の「Up, Up and Away」。