2017年4月9日

誰も行ったことがないから行く

今日と先週の「木村達也 ビジネスの森」は、洞窟探検家の吉田勝次さんをゲストにお迎えした。

これまでに潜った洞窟は、1000とも2000とも。数えたことがないから、正確な数は分からないそう。その中には未踏歩だったものも数多く含まれる。

そこに何があるか分からないのが、洞窟探検の醍醐味のよう。我々が洞窟をイメージするとき、そこは鍾乳洞のような人が立ったまま歩いて進める空間だろう。しかし、吉田さんらがチャレンジする洞窟は、必ずしもそうではない。這いつくばって砂を掻き、目の前の穴に体を押し込み(息を吐いて胸囲を小さくして)、時には空気ボンベを背負い、水の中を進む。

水の中といってもコーヒーのような水。先が見えないどころか、タンクの残りの空気の容量を示すメーターすら見えない。進めるかどうか、ひょっとしたら戻ることもできないかもしれない、そうした状況の中で判断を求められる。

そこでは体力より、メンタルな強さが生きて帰れるかの決め手になる。平常さを失わないこと。パニックになり、平常な精神状態を失うと途端に生還率が低くなる。

冒険と探検は違う、と吉田さんは言う。冒険は無謀であればあるほど価値がある。しかし、探検は冒険とは違い、必ず帰って来なければ行けない。探検した先のデータを持って帰って伝えることが探検には求められているからと。なるほど。