2017年1月29日

人口減と地方について、また考えてみた

今日の「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5)のゲストは、『人口減が地方を強くする』(日経プレミアムシリーズ)の著者で、日本総研上席主任研究員の藤波匠さん。


日本創成会議の推定では、896の市町村が消滅するとされている。しかし、それらはいきなりその数の市町村で人口が完全に消えてしまうと云うことではない。実際は、地方自治体が従来の行政サービスを提供できなくても、そうした場所に住み続ける人は残り続けるだろう。それが人のいとなみだ。

多住居生活という暮らしの仕方が、これから進んでいくかもしれない。全体では国の人口は減少するが、ゆとりのできた空間をみんなでもっと活用する手はあるはずである。余暇を過ごすなり、期間限定で仕事をするなり、ボランティアという方法もあるだろう。そうすることで、人口減少地の活力を保つことができるかもしれない。

ただし、国の移住促進策にはわれわれは注意する必要がある。地方の村落の延命措置のために、国が一時的な経済支援を人参としてぶらさげ、都会から若い夫婦などを移住させるのは長期的には誰のためにもならない。

引っ越し費用を持ちますとか、最初の何年間は家賃を大幅に割り引きます、そんな目先の話でやってきた人たちは、いずれそうした「お得さ」が薄れた時には別の場所へ移ってしまう。生きていく場所として、どのような生計の手段をその場にみんなで作っていけるか、そこがポイントだろうと思う。


今日の一曲は、RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」。