2011年1月31日

投資外国人

飛行機を乗り換えるため、ソウルの仁川空港にいる。今回はここで6時間近く時間を潰さなければならない。航空会社のラウンジにずっといるのも飽きる。広大な空港を気ままにぶらつく。

出国審査窓口に、外交官、クルーなどと並んで投資外国人の表示がある。英語表記は、まさにInvestorsである。いくら投資すれば、一般人とは別ゲートですんなり出国審査が受けられるのだろう。

2011年1月30日

宝塚歌劇観劇

親戚の娘が出演しているというので、初めて宝塚歌劇を観に行った。宙組(そらぐみと読む)公演「誰がために鐘は鳴る」である。劇場が思いのほか大きいのに驚く。観客は、予想どおり圧倒的な女性比率だ。しかも年齢は結構高い。

芝居も衣装も何もかも、すべてが過剰。でもそれこそが、タカラヅカなのであろう。僕には(当たり前だが)まったくの別世界。ここまで徹底してやられると文句も出ない。

宝塚には花組や月組、雪組と行った6つのグループがあり、それぞれが全く異なったユニットとして活動している。AKB48の原型の一つはここだ。

2011年1月27日

人生万歳!

明日で恵比寿ガーデンシネマが閉館になる。閉館後、ここの施設がどうなるのか劇場のスタッフに尋ねたが、まだ決まっていないという。

僕の記憶では、アメリカ映画の佳作を中心に、全体的に上品かつ上質な映画を選んで上映していた印象がある。思い返せば、ウディ・アレンの作品が多かったような。だからか、最後の上映作品もウディ・アレンが監督した「人生万歳!」だった。

劇場が一つ閉まるからといって、映画が観られなくなるわけではない。映画を上映する数多くのコンプレックスもできているし、自宅ではオンデマンドやレンタルなどで、ほとんどあらゆるタイトルを観ることができる。だが、なんというのか、ノスタルジーなんだろうなあ。自分が身を沈めて映画に触れた劇場の空間がなくなるというのは、ちょっと寂しい感じだ。

2011年1月19日

『小さなチーム、大きな仕事』

本書の著者は、米国のソフトウェア会社37シグナルズの創業者2人。1999年にウェブデザインコンサルティング会社として創業し、世界中で数百万人が利用している優れた製品を生み出している。

彼らのビジネスの哲学は明快だ。すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、自分が使いたいものを作ること。会社には、広告も営業もオフィスも事業計画も必要ないと断言する。もちろん会議など、彼らにとってはできる限りやらないにこしたことはない。彼らの製品作りの焦点は、早さ、シンプルさ、使いやすさ、そして分かりやすさ。本当に重要なことだけ徹底的に追求し、顧客の琴線に触れるものを作り、ストレートに提供すること。

創造性だけを武器に成長してきたスモールカンパニーの代表選手だからこその特異性はあるかもしれないが、マネジメント理論や財務分析よりも働く人のやる気と思い、顧客とのつながりこそが重要との指摘は今だからこそ新鮮である。自分で新しい価値を社会に向けて創造し、自由に能力を生かしたい人は、気に入った小さなチームで好きな仕事ができるオープンな環境こそ最優先すべきだと教えてくれる。

原題は、Rework。楽しく仕事をやりたいと望んでいる読者に、数々のヒントを与えてくれる一冊である。

2011年1月12日

学生からの間違いメール

僕のと似たメールアドレスを持つ早稲田大学の先生にあてたものと思われる間違いメールが来た。送信元は、ある大学の4年生。早稲田のその先生が非常勤で教えに行っているところの学生だろう。

そこには、自分は4年生で卒業を控えていること、その先生の授業の単位が心配なこと、そしてそのため授業を何回欠席しているか回数を連絡してほしいと書いてあった。

教員は学生たちに講義の中で、欠席がある回数以上だと単位を認めないと話したのかもしれない。今回の学生はそれを心配して自分の欠席回数を知りたいのだろうが、大学4年生にもなって飽きれた物言いである。

これまでの欠席の回数を講義担当の教員に教えろということは、あと何回なら欠席しても平気か知らせろと言っているようにも聞こえる。自分のことがモニターできていない、すぐに人に依存する典型的な今時の大学生の体質がよく出ている。

こうした場合、僕だったら「君はもう既にアウトだ」とまずは返答してやるのだが。

2011年1月3日

路上の鴉

朝から裏でカラスが騒がしい。群れで鳴いているのではなく、同じ一匹が何時間も泣き続けている感じだ。外の空気を吸いがてら出てみると、一匹のカラスが路上に落ちていた。まだ落ちて間もない様子だ。外傷があるようではなく、血も流れていない。なぜ、カラスが死んだのか分からない。餓死か。

見下ろすかたちで、一匹のカラスが電線の上からずっと泣き続けている。その泣き方は、仲間の死を悼んで泣き続けているようにしか思えない。カラスにはそうした感情があるのだろうか。

2011年1月2日

全国大学ラグビー選手権

今日は国立競技場で全国大学ラグビー選手権の準決勝があった。1時半に信濃町の絵画館前で友人たちと待ち合わせ。駅伝の往路の行方が少し気になる。帝京対東海の第一試合に続き、早稲田対明治の第二試合は予定の2時を少し過ぎてキックオフ。

今年の早稲田は強い。ディフェンスがいい。素早く、思い切りの良いタックルが次々繰り出される。体重差で劣る早稲田が明治チームを封じるには、ボールを持った相手選手を早く倒すこと。そして、縦横なパス回しで展開し、機を見て縦に突っ込む。非常に戦略が明快。しかも早稲田の選手たちは、バックスだけでなく誰もが走れる。それを徹底して前後半の80分続けられたのは、練習の積み重ねだろう。結果は、74対10で圧勝だった。

競技場を後にし、駅に向かう途中、絵画館の前に差し掛かった時にだれかが「絵画館って、中に入ったことある?」。誰も中に入ったことがない。建物は重厚で立派。都心の一等地に建つ。だが、なかにどのような展示物があるのか、僕たちは誰も知らなかった。