2010年1月20日

銀行のマーケティング戦略


今週の「顧客関係性マネジメント論」は、元新生銀行マーケティング部部長の福田さんが来てくれて、銀行のビジネス(とくにリテール)にいかにマーケティングの新風を吹き込んだかについて語ってくれた。

話を聞いていて僕がまず感じたのは、もとLVMHにいた彼女をキャスティングした同行のマネジメントの判断の潔さである。選べる32色のキャッシュカードの導入など、銀行業界にどっぷり浸かった専門家には絶対にできなかった大胆勝つ緻密なマーケティング戦略を立案、実施した手腕は特筆される。

しかも彼女たちが実施したマーケティング活動のベースには、顧客や業界の種々のデータの分析が必ずあった。ロジックをきちんと磨いた上での跳躍。マーケターとして当たり前といえば当たり前だが、そうした当たり前のことを当たり前に行うのが、いかに難しいことか。

今回は、WBSの学生たちへの講演のため香港から一時帰国してくれた。感謝。

2010年1月18日

御用達

知り合いから先日お菓子をいただいた。箱には「宮内庁御用達」とある。よく聞く文句であるが、その定義は調べてみるまで知らなかった。

宮内庁御用達制度の前身は、1891年に宮内省が産業振興のために設けた宮内省用達称標出願人取扱順序にもとづき許可した宮内省御用達であり、社会的な信用が条件とされた。その後、1935年に広告での不正などがあれば出入り禁止、許可期間は5年という改正がなされ、1949年の許可を最後に、ということは1954年に制度は消滅したのである。

1935年から54年の間に許可された御用達は83社。現在、自分で御用達を名乗るのは、旧制度時代に許可を受けたことがあるか、あるいは今も納入業者となっているところだが、自分たちから品を献上したり、数回収めただけでそう名乗っている店もあるという。現在では、宮内庁は御用達を公式には認めていない。

よく知られたところでは、醤油のキッコーマン、カステラの文明堂、お酢のマルカン酢、味付け海苔の山本山などがある。御用達は法的な根拠のないまったくの俗称である。自ら御用達を名乗るかどうかは、その経営者の姿勢次第。またそれを有り難がるかどうかも個人の価値観次第だろうが、日本人的メンタリティの一面を見る気がする。

2010年1月16日

塑像


上海の人民公園の地下街で見つけた塑像作家。時間があったので、ひとつお願いした。

割り箸のような心木に色粘土をつけていき、ポイントを着色する。所要時間は20分くらいだったか。出来上がってくるに従い、通行人たちが足を止め、塑像の出来具合をのぞき込み、それからこちらの顔と見比べてニヤリ。2、30人くらいが周りに集まった。作り手もギャラリーが多いと気合いが入るみたいだ。でも出来上がりは見ての通り。あまり似ていない。

2010年1月15日

黄浦公園は全面立ち入り不可


出張中、時間を見つけて外灘(ワイタン)地区から人民公園あたりを歩く。外国ではどこでも時間がある限り歩く、歩く。そうした時の気分はNHKの「世界ふれあい街歩き」なのだが、どうもここではそうもいかない。埃がすごいのである。歩いていると目と喉が痛くなるくらい。

外灘地域はどこも工事中。上海万博に向けての整備なのだろうが、もう少し計画的に段階的にやればいいのにと思う。これも発展過程の一風景か。

2010年1月14日

代官山

上海。ホテル近くのショッピングセンター。

タイ資本だという広大な建物である。なるほど確かに建物の入り口の左右に象の像があった。日本の店もユニクロや無印良品、吉野家などがテナントとして出店している。

4階以上はレストラン街。さまざまな料理がそろっているが、やはり中国料理の店が一番多い。そのなかで見つけた「代官山」という名の店。

かき氷(冬に?)やお汁粉など甘味メニューが中心の店。なぜ店名が代官山かは不明。直接訊ねたわけではないが、日本の資本ではなさそう。現地で売られている日本の雑誌などで紹介されている代官山が「おしゃれ」だから?

2010年1月13日

上海での再会


火曜日の夕方、WBSを2006年3月に修了した黄さんがホテルまで来てくれた。4年ぶりの再会。

その後、浦東の上海料理店に奥さんの周さんも合流し、3人で食事。二人ともとても元気。仕事は忙しそう。プラニングなど自分の仕事はもちろん、日本人のボスと現地スタッフのつなぎ役を務めなければならない様子。クロスカルチュラルな環境の中での、中間管理職の大変さがうかがえた。二人とも頑張ってほしい。

2010年1月12日

ハーバード上海リサーチセンター


昨年ハーバード大学が上海にオープンしたリサーチセンターでのワークショップに参加するため、この月曜日から上海に来ている。参加者は、世界中から集まったビジネススクールの先生たち。

施設は香港上海銀行ビルのひとつのフロアをすべて占め、ボストン本校と同じ教室に加えてグループスタディ用の部屋も十分備えられている。彼らの中国に向ける意欲をまざまざと見せつけられる感じがする。